
この記事では英語の長文読解のスピードアップに役立つ「スラッシュリーディング」という読解方法について紹介します。
「スラッシュリーディングって名前だけ聞いたことがある」にもぜひどんな効果があるか知って欲しいと思います。
この記事を読み終えると、大学受験やTOEICの長文問題に必要な速読の力が身につきます。
スラッシュリーディングとは?
スラッシュリーディングとは、英語の文章にスラッシュを入れ、小さく区切って読む方法です。
英語の語順通り前から訳していくので、日本語の語順に直して考えるより効率的。速読を習得したい方にはぴったりの方法です。
スラッシュリーディングのやり方とコツ
スラッシュリーディングのやり方はいたってシンプル。文章をスラッシュで区切り、小さなまとまりごとに理解していきます。ここで大切なのがどこで区切るか。
間違った場所で区切らないように、区切る目印となるものを最初に学びましょう。
準動詞(不定詞、動名詞)で分ける
準動詞とは不定詞(to+動詞)と動名詞(動詞+ing)の2種類です。英語の基本のルールとして「1つの文に1つの動詞」というのがあります。
しかし、準動詞の場合は特別に2つ以上使うことができるので、文章が複雑になりがち。読みやすくするために区切りましょう。
- 不定詞:I went to Korea / to see my friend.(私は韓国に行った / 友達に会うために)
- 動名詞:I love / cooking for my husband. (私は好きだ / 夫に料理をすることが)
前置詞・副詞で分ける
前置詞や副詞は比較的見つけやすいです。
前置詞は名詞の前に置かれ、代表的なものはin, to, at, between, withなどがあります。
Nagoya is located / between Tokyo and Osaka. (名古屋は位置している / 東京と大阪の中間に)
副詞は名詞以外を修飾し、文章に「時、場所、状態」の情報を付け足します。
「beautifully」のように1語の場合は区切らなくても大丈夫。ただ、「the other day」のような3語以上になる場合は分かり易いように区切りましょう。
She sings / beautifully. (彼女は歌う / 美しく)
I saw her / the other day. (私は彼女に会った / この間)
関係詞で分ける
関係詞(whose, what, when, where, that)は文と文を繋げる役目をします。そのため関係詞がある文は長くなりがち。読みやすくするためにスラッシュするの忘れずに。
I have a friend / who speaks English. (私は友達がいる / 英語を話す)
You are the smartest person / that I have ever met. (あなたは一番賢い人間だ / 私が今まであった中で)
接続詞やコンマで分ける
接続詞(but, because, so, and)やコンマも文と文を繋げる役目をしますね。
文が長くなりがちなので、ここでも忘れずにスラッシュ。
- I stayed home / because it was rainy. (私は家にいた / 雨が降っていたから)
- According to him, / it will rain today.(彼によると / 今日は雨がふるらしい)
スラッシュリーディング 効果
スラッシュリーディングは次のような3つの効果があります。
英語の長文読解のスピードが上がる
スラッシュリーディングでは、英文を英語の語順のまま理解します。わざわざ日本語の語順に直して考えなくても良いのです。
左から右へ読み進めれば良いので、目の動きにムダが無く、長文をサクサク読み進められます。
リスニング力が上がる
スラッシュリーディングは「読む力」だけでなく「聞く力」の向上にも効果的。というのも、普段の会話の中では耳に入ってきた言葉から順番に理解します。
全部聞いてから日本語の語順に直して考える、なんて時間がありません。スラッシュリーディングでは、リスニングで必要な「英語を英語のまま理解する」というスキルが身につけられます。
ライティングやスピーキングにも役立つ
スラッシュリーディングでは、文章を小さなかたまりに区切りますよね。これを繰り返すことで、文章の中にどんな要素が入っているのか学べます。
文章作りに必要な要素を学ぶことでスピーキングやライティングが自然と向上します。
スラッシュリーディングに弊害はあるの?
沢山のメリットがあるスラッシュリーディングですが、気をつけるポイントもあります。それは、基礎的な英文法の知識(5文型)がわかっていないとダメ、ということ。
例えば、「主語と動詞の見分けがつかない」という状態では、スラッシュを打つ場所がわからないでしょう。スラッシュリーディングは、英語の基礎を身につけてから。長文読解に進めるレベルで取り入れるようにしましょう。
スラッシュリーディング 教材(参考書)
スラッシュリーディングを学べる参考書をいくつかご紹介します。自分の英語レベルと目的に合わせて適切なものを選びましょう。
究極の英語リーディング
「英語を英語の語順で理解する」という基本のスキルが身につく参考書。初心者に合わせられたレベルの例文で、長文読解に苦手意識のある人にオススメ。
大学入試英語長文ハイパートレーニングレベル1 超基礎編
1問1問丁寧に解説された参考書。文法や単語、熟語に関する解説も豊富なので、基礎を固めたい人にぴったり。大学入試用とあるが、自分で学びたい中級者にもおすすめ。
英語スラッシュリーディング・トレーニング
TOEIC500点〜600点の学習者に向けた、英語ニュースを読むための入門書。プロの通訳である著者が教える、「読む力」と「聞く力」にフォーカスした学び方。読解のレベルアップを目指す中級〜上級者におすすめ。
スラッシュリーディングのまとめ
この記事ではスラッシュリーディングについてやり方やコツを紹介しました。
スラッシュリーディングが頭の中で出来るようになると、長文読解のスピードが一気に上がるので、英語の試験に役立ちます。
スラッシュリーディングをまだ試してない方は、ぜひこの機会に練習をしてみてくださいね。
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